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<ナレッジ>Vol.16 SPCとIFRS16号(借手の処理)について

2019/08/19

1. SPCとIFRSの関係

昨今、SPCにおいては海外の投資家も少なからず存在すると考えられます。そのような場合に海外の投資家から海外で採用している会計基準として、IFRSに従った会計報告を求められることが多いと思います。その場合、日本基準で記帳を行っている試算表等からIFRSへの組替を行うこととなります。

今回は2019年1月1日以後開始する事業年度から適用されることとなったIFRS16号について、SPCにおける組替の処理を中心にご説明致します。

 
2. IFRS16号の概要

IFRS16号はリース取引に関する会計基準となります。不動産を保有するSPCの場合、リース取引の貸手側になることも多いかと思いますが、その場合、多くの場合はオペレーティングリース取引に該当するものと考えられます。こちらについては、旧基準とIFRS16号の間で大きな差異がないため、今回はIFRS16号により基準内容が大きく変更された借手側の処理について記載を行います。

 

IFRS16号では、原則としてリースの借手側はリース取引の開始日に使用権資産及びリース負債を認識しなければなりません。例外としては、短期リース(契約期間が12カ月以内。ただし、購入オプションがある場合は該当しません)、原資産が少額であるリース(絶対値で少額である必要があり、会社の規模には依りません。例としては、タブレットやパソコン、電話などが基準上挙げられています。)に該当する場合には、使用権資産及びリース債務を認識する必要はありません。

 

使用権資産の測定に関して考慮する必要があるのは次の通りです。

 a.リース負債の当初測定の金額

 b.開始日以前に支払ったリース料から、受け取ったリース・インセンティブを控除したもの

 c.借手に発生した追加コスト、などとなります。
 

リース負債の当初測定は、支払われていないリース料総額を現在価値で測定したものとなります。当初の認識及び測定が完了すると、その後、使用権資産は減価償却が行われ、リース負債は利息部分の認識とリース料支払による負債の減少を認識することとなります。

 

3.IFRS16号のSPCにおける取り扱い

通常、SPCが借手側としてリース取引を行う場合、土地の賃借が多いのではないかと思います。この場合、短期リースや少額リースに該当しないと考えられるため、日本基準からIFRS基準に組み替える際に調整が必要となります。

日本基準における処理は、多くの場合、土地の賃貸借がファイナンスリースには該当しないことから、通常の賃貸借処理に従い、地代を支払った際に費用として計上していると考えられます。一方でIFRS16号上は、ファイナンスリースとオペレーティングリースの区別なく、2.で記載した例外を除き、使用権資産とリース債務を計上する必要があります。そのため、日本基準からIFRSへの調整の際は、当初契約時は日本基準ではリース料支払まで特に計上はないものの、IFRS上は、まず、使用権資産とリース負債を認識する必要があります。その後、リース料の支払を行った際には、日本基準で計上されている費用の認識を一旦取り消し、IFRS上で認識している使用権資産の減価償却の認識、リース負債に係る支払利息の認識、リース料支払による利息及びリース負債の返済に係る調整が必要となります。

 
4.最後に

今回はSPCにおける日本基準からIFRSへの組替として、IFRS16号に関するトピックを取り上げました。ご不明な点、疑問点等ございましたら当社までお問い合わせください。
 

以上

【お問合わせ先】税理士法人 令和会計社 / 令和アカウンティング・ホールディングス株式会社
https://heiseikaikeisha.com E-mail: info@hsk-tax.com