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<ナレッジ>Vol.17 消費税額計算の概要

2019/11/05

2019年10月1日より、消費税及び地方消費税の税率が8%から10%に引き上げられ、この税率引上げと同時に消費税の軽減税率制度が実施されました。

それにより法人の課税期間によっては、2019年9月30日までの標準税率8%(国税6.3%、地方税1.7%)、10月1日以降の標準税率10%(国税7.8%、地方税2.2%)、軽減税率8%(国税6.24%、地方税1.76%)の複数税率による消費税申告を行うことになります。会計システムを用いて期中の経理処理を正しく行っていれば、消費税額は概ね自動で計算されるものですが、消費税額の算出方法についてご説明iいたします。

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1.消費税額計算の概要

消費税額は、まず消費税額(国税)を算出し、算出された消費税額(国税)を基に地方消費税額を算出します。

売上に係る消費税額-仕入れに係る消費税額=納付消費税額(国税)

納付消費税額(国税)×地方税率/国税率=納付地方消費税額

「売上に係る消費税額」は、税抜きの課税売上高を千円未満切り捨てにし(「これを課税標準」といいます)、国税率を乗じて算出します。一方で、「仕入れに係る消費税額」は、税込みの課税仕入額を1+標準税率で除し、これに国税率を乗じて算出します。

複数税率の場合、税率ごとの課税売上総額及び課税仕入総額を算出して売上に係る消費税額及び仕入れに係る消費税額を計算します。

 
具体的には以下のとおりです。

・旧標準税率の課税売上の課税標準×6.3%=旧標準税率の売上に係る消費税額…①

・新標準税率の課税売上の課税標準×7.8%=新標準税率の売上に係る消費税額…②

・軽減税率の課税売上の課税標準×6.24%=軽減税率の売上に係る消費税額…③

 

売上げに係る消費税額の合計=①+②+③

 

・旧標準税率の課税仕入れ額×6.3/108=旧標準税率の仕入れに係る消費税額…④

・新標準税率の課税仕入れ額×7.8/110=新標準税率の仕入れに係る消費税額…⑤

・軽減税率の課税仕入れ額×6.24/108=軽減税率の仕入れに係る消費税額…⑥

 

仕入れに係る消費税額の合計=④+⑤+⑥

 

納付すべき消費税額(国税)から地方消費税額を算出する場合、旧税率と新税率(軽減税率を含みます)は分けて算出します。

・旧税率

納付すべき消費税額(①-④)×1.7/6.3=納付すべき地方消費税額

・新税率

納付すべき消費税(②③-⑤⑥)×2.2/7.8=納付すべき地方消費税額

 
2.原則的な計算による場合

仕入れに係る消費税額の全額を控除できる「全額控除方式」を適用できるのはその課税期間の課税売上高が5億円以下かつ課税売上割合が95%以上の事業者に限られ、それ以外の事業者については「個別対応方式」か「一括比例配分方式」のいずれかの方法により仕入控除税額を計算します。

・個別対応方式

仕入に係る消費税額のうち、「仕入控除税額」となるのは「課税売上にのみ要するもの全額」と「課税売上と非課税売上に共通して要するもの×課税売上割合分」で、非課税売上にのみ要する税額は控除できません。

 

・一括比例配分方式

仕入れに係る消費税額のうち課税売上割合分を控除できます。ただし、いったん一括比例配分方式を採用した場合、原則として翌課税期間については個別対応方式を採用できません。

 
3.簡易課税の場合

課税期間の前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下で、当該課税期間の開始日の前日までに届出書を提出している場合、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができます。

仕入控除税額=売上に係る消費税額×みなし仕入率

 

みなし仕入率は以下のとおりです。

第一種事業(卸売業)・・・・・・・・・90%

第二種事業(小売業)・・・・・・・・・80%

第三種事業(製造業等)・・・・・・・・70%

第四種事業(その他の事業)・・・・・・60%

第五種事業(サービス業等)・・・・・・50%

第六種事業(不動産業)・・・・・・・・40%

※ただし、2019年10月1日を含む課税期間から、第三種事業のうち、消費税の軽減税率が適用される飲食品の譲渡を行う事業は第二種事業となり、みなし仕入率は80%が適用されます。
 
4.適格請求書等保存方式(インボイス制度)

2023年10月1日以降、適格請求書等保存方式が導入され、免税事業者や消費者など、適格請求書発行事業者以外のものから行った課税仕入れに係る消費税額を控除することができなくなります。
ただし、現行の請求書等の記載事項に加え、①軽減対象資産の譲渡等である旨 ②税率毎に合計した対価の額(仮に受領した請求書に上記2点の記載がなければ受領者が追記する)が書かれた請求書等を保存し、帳簿にこの経過措置の規定の適用を受ける旨を記載している場合に限り、下記期間は一定割合を仕入税額として控除することができる経過措置が設けられています。

経過措置の期間と割合

・2023年10月1日~2026年9月30日まで…仕入税額相当額の80%

・2026年10月1日~2029年9月30日まで…仕入税額相当額の50%

 

以上が消費税額計算の概要となります。実務上の不明事項や疑問等がございましたら、当社までお問合わせください。

【お問合わせ先】税理士法人 令和会計社 / 令和アカウンティング・ホールディングス株式会社
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