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<ナレッジ>Vol.19 物件取得時における建物の躯体部分と附属設備の取得原価の按分について

2020/02/13

今月号では、物件取得時における建物の躯体部分と附属設備の取得原価の按分について説明させていただきます。

 
1.建物の躯体と附属設備の取得原価按分の必要性

建物を購入した場合、建物の躯体部分と附属設備とはそれぞれの機能等に応じて耐用年数の適用が異なるため、建物の躯体部分と附属設備とに取得原価を按分して固定資産台帳を作成し、減価償却額を計算していく必要があります。
その取得原価の按分にあたっては、恣意的な按分を排除し、客観的な方法に基づくことにより、適正な期間損益計算を行うことができます。
このように建物の躯体と附属設備の取得原価の按分はその後の減価償却計算に影響を与えることから、客観的・合理的な方法を用いて按分する必要があります。

 
2.建物の躯体と附属設備の取得原価按分の方法

建物を躯体部分と附属設備に按分するにあたっては、躯体部分と電気設備や給排水設備、衛生設備や外構などの各附属設備を把握し、固定資産台帳に登録する資産区分を確定する必要があります。その把握のためには工事見積台帳やオリジネーター台帳、エンジニアリングレポートなどを使用する方法が考えられますが、今回はエンジニアリングレポート(※)を使用し、資産区分の把握・按分金額の計算をする方法を紹介いたします。

 (※)エンジニアリングレポート・・・不動産の適正な投資価値の評価を行うために、不動産の状況調査や環境に関する診断内容をまとめた専門家による調査資料です。エンジニアリングレポートの項目の中に、「再調達原価の算定」の項目があり、その内訳を資産区分の確定に使用する方法です。

資産区分を確定した後の按分方法としては、躯体部分と各附属設備の再調達原価より当該資産の既経過年数の減価償却額を控除した未償却残額をそれぞれ計算します。そして全体の建物取引金額をこの未償却残額比により按分することにより、建物の躯体部分及びその各附属設備のそれぞれの取得原価を算出する方法です。
ここで按分の基準を再調達原価から経過年数の減価償却費を控除して計算した未償却残額比とするのは、エンジニアリングレポートにおける再調達原価が、過去に建てた対象不動産と同じものを新築したとすると、いくらかかるのかを計算したものだからです。
按分の基準とするのは、新築時点ではなく、取得時点での簿価である必要があることから、取得不動産の竣工日を把握し、竣工日から物件取得時までの減価償却費を差し引いた簿価をもとに按分するのが合理的な方法と考えられます。また、この方法はエンジニアリングレポートという第三者が作成した資料をもとにしている点で、客観的な方法だといえます。

以上が簡単な概要となります。実務上の不明事項や疑問等がございましたら、当社までお問合わせください。

【お問合わせ先】税理士法人 令和会計社 / 令和アカウンティング・ホールディングス株式会社
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