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<速報>Vol.2 2020年度 税制改正大綱の概要について

2019/12/20

Ⅰ. はじめに
2019年12月12日に2020年度税制改正大綱が発表されました。持続的な経済成長を後押しするためのベンチャー企業等への出資の促進・5G(第5世代移動通信システム)の導入促進等に取り組むほか、消費税確定申告の期限延長・連結納税制度の改正等も盛り込まれています。
本稿では、今回の税制改正大綱のうち大企業に影響が大きいと考えられる項目について、概要を説明します。
※投資法人・特定目的会社についてはこちら

なお、大綱については、今後の国会における法案審議の過程において、一部項目の修正・削除・追加などが行われる可能性があることにご留意ください。
 
Ⅱ.連結納税制度の見直し
「連結納税制度」から「グループ通算制度」へと改称が行われます。親法人及び各子法人が法人税の申告を行う点並びに青色申告の承認を前提とする点が主な変更点となっています。なお、従前グループ全体で調整額を計算していた受取配当等の益金不算入等の個別制度について、個別計算を原則とすることとされました。また、通算グループ内の他の法人の当期の所得金額又は過年度の欠損金額が当初申告内容と異なる場合でも、期限内申告書に記載された当期の所得金額又は過年度の欠損金額により通算することとされ、他の法人の期限内申告後の調整による所得金額又は欠損金額への影響がなくなります。なお、グループ通算制度の適用法人は、法人税等の確定申告書(添付書類を含む。) につき、電子申告での提出が義務付けられます。
こちらの改正は、2022年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
 
Ⅲ.消費税の申告期限の特例の創設
消費税の確定申告書の提出期限について、法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受ける法人は、一定の届出書を提出することにより、1月間の延長が認められることとなりました。
こちらの改正は、2021年3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間から適用されます。
 
Ⅳ.子会社からの配当と子会社株式の譲渡を組み合わせた租税回避への対応
子会社(外国法人又は一定の内国法人)からの配当の益金不算入と株式の譲渡を組み合わせた租税回避行為に対応する制度が新設されることとなりました。
法人が、特定関係子法人※1から受ける配当等の額が株式等の帳簿価額の10%相当額を超える場合には、その対象配当金額のうち益金不算入相当額※2を株式等の帳簿価額から引き下げることとされます。
ただし、内国普通法人である特定関係子法人で、設立から特定支配関係発生までの間、その株主等の90%以上が内国普通法人等である場合その他一定の場合の配当等の額は本措置の適用から除外されます。
 
 ※1 配当等の決議の日において、特定支配関係(一の者が他の法人の株式等の50%超を直接又は間接に有する場合における当該一の者と他の法人との関係等をいいます。)を有する他の法人をいいます。
 ※2 受取配当益金不算入制度等により益金不算入とされる金額に相当する金額をいいます。
 
Ⅴ.イノベーションに係る措置の創設
次世代のイノベーションを担うベンチャー企業等への出資に対する所得控除規定が新設されることとなりました。
青色申告書を提出する法人で特定事業活動を行うもの※3が2020年4月1日から2022年3月31日までの間に特定株式※4を取得し、かつ、これをその取得した日を含む事業年度末まで有している場合において、その特定株式の取得価額の25%以下の金額を特別勘定の金額として経理したときは、その事業年度の所得の金額を上限に、その経理した金額の合計額を損金算入できることとなります。
この特別勘定の金額は、特定株式の取得から5年以内に特定株式の譲渡等の取崩し事由に該当することとなった場合、その事由に応じた金額を取り崩して益金算入します。
 
 ※3 自らの経営資源以外の経営資源を活用し、高い生産性が見込まれる事業を行うこと又は新たな事業の開拓をおこなうことを目指す株式会社等をいいます。
 ※4 産業競争力強化法の新事業開拓事業者のうち同法の特定事業活動に資する事業を行う内国法人等の株式のうち、一定の要件を満たすことにつき経済産業大臣の証明があるものをいいます。
 
Ⅵ.特定高度情報通信用認定等設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の創設
5G導入に係る一定の投資に対する特別償却又は税額控除規定が新設されることとなりました。
青色申告書を提出する一定の法人が特定高度情報通信等システムの普及の促進に関する法律(仮称)に則り一定のシステム導入を行う場合において、同法の施行の日から2022年3月31日までの間に、特定高度情報通信用認定等設備の取得等をして、事業の用に供した場合等は30%の特別償却と15%の税額控除(法人税額の20%を上限とします。)との選択適用ができることとされました。
 
Ⅶ.交際費等の損金不算入制度
交際費等の損金不算入制度の適用期限について、2年間延長されるとともに、接待飲食費に係る損金算入の特例の対象法人からその資本金の額等が100億円を超える法人が除外されます。
 
Ⅷ.給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の税額控除制度
法人税の給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の税額控除制度等について、国内設備投資額が当期償却費総額の90%以上であることとの要件につき、95%以上であることとされる要件の引締めが行われます。
 
Ⅸ.研究開発税制の見直し
大企業につき研究開発税制その他生産性の向上に関連する税額控除の規定を適用できないこととする措置について、その大企業の国内設備投資額が当期償却費総額の10%を超えることとの要件につき、当期償却費総額の30%を超えることになることと等の見直しが行われます。
 
Ⅹ.セミナーの開催について
2020年2月に税制改正セミナーを実施いたします。日程等の詳細はHPにてお知らせします。
 
以上が簡単な概要となります。
実務上の不明事項や疑問点等御座いましたら当グループまで是非お問い合わせください。

【お問合わせ先】税理士法人 令和会計社 / 令和アカウンティング・ホールディングス株式会社
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